夜のリビング、論子さんが夫の貢さんと話をしています。

論子「今日、うれしい事というか、路夫の事でこんな事があったのよ」

貢 「路夫がどうかしたのかい?」

論子「実はこの所、ご近所でささいなことだけどいたずら事件がおきていてね。」

貢 「ささいな事件?」

論子「そう、まぁ玄関をピンポンして逃げちゃうとか・・・」

貢 「あはは・・子どものやることだな。」

論子「でも、やっぱり迷惑なことだから、学校に苦情がきたんですって」

貢 「ふーん。それで?」

論子「それでそのいたずらの犯人が近所の小学生だっていうことでね。」「路夫もその中に入っていたんじやないかって言われたの。」

貢 「路夫が?」

論子「だから路夫に聞いてみたんだけど、そんなことしてないって言うの」

貢 「そうだろうな。あの子がそんな事するはずないからね。それで、その事の何がちょっと嬉しい事なんだい」

論子「いたずらっ子の姿をしっかり見た人がいないから、疑われても仕方ないんだけどね。」「実はご近所の田中さんのおじいさんが、路夫ではないと言ってくれて。」

貢 「田中さんが?どうしてだい?」

論子「それが、路夫はおにいちゃんの学の言う事もよく聞くし、妹の仁実の面倒もよく見てくれているでしょ。それに家ではおじいちゃんやおばあちゃんを大切にしていて、礼儀正しくて会うとちゃんと自分から挨拶もするから、そんな子は他所でも悪い事はしないはずだって。」

貢 「ほう。」

論子「私、すごく感動したの。お父さん、お母さんがいつも『挨拶は大切だよ』って子ども達を躾けてくれているお陰だわ。感謝しなきゃ。」

貢 「そうだな。僕達親だけでは気が回らない事もあるからな。大家族も悪くないね。」

 

さて、こんな時論語ではなんていうでしょうか。

上を犯すを好まずして

亂を作すを好む者は未だ之有らざるなり。

 

〈伊與田先生 訳〉 仮名論語1P

 その人柄が、家にあっては親に孝行を尽くし兄や姉に従順な者で,長上にさからう者は少ない。長上に逆らうことを好まない者が、この世を乱すことを好むものはない。

 

 解説

 自分のきょうだいが運動会で走ったりする時、ドキドキはらはらしませんか。家族にうれしい事があった時、なぜか一緒にうきうきしたりしませんか。

『お兄ちゃんはすごいな。お父さん、お母さんは毎日僕たちの為に働てくれてありがたいな。』と感謝して家族を大切に思う心があると、家から外に出て、他所の人を見ても、同じようにその人の家族の気持ちになれば、嫌がることをしたり、迷惑をかける事はしないよね。

家族がお互い思いやっていれば、やさしい心になれて、それが自然と態度に出るものです。