土曜日の夕方、お父さんの貢さんや家族がリビングでくつろいでいた所へ路夫君がサッカークラブの練習から帰って来ました。
論子「お帰りなさい。元気無いじゃない。いつものお腹空いたーはどうしたの?」
路夫「ちょっとそんな気分じゃ無いんだ。」
貢 「へぇ。珍しい事もあるもんだ。どうしたんだい?」
路夫「すごくショックな事があってさ。ねえ僕クラブ変わってもいいかな。」
貢 「クラブを変わるって、どうして?」
路夫「今日さ、今度のトーナメントの代表が発表されたんだけど、僕補欠だったんだ。だいたい今のクラブはさ、上手な人が多すぎるんだよ。このままでは僕絶対レギュラーになんかなれないよ。友君のいるクラブなんかさ、みんな試合に出られるんだよ。何かさぁ納得できないよ」
貢「路夫、路夫は何のために今のクラブに通っているんだい?サッカーが上手になりたいからかい?それとも試合に出たいからかな?」
路夫「そりぁ試合に出たいけど、やっぱりサッカーが好きだし上手になりたいかだよ」
貢「路夫の今行っているクラブはみんな上手なんだろう?」
路夫「そうなんだよ、みんなとっても上手くてさ、頑張らないとついていけないくらいなんだ。」
貢「路夫、よく考えてごらん。上手な人といっしょに練習するのと、もしかしたら路夫が一番上手なクラブとどっちが上手になると思うかい?ただ試合に出たいだけなら、クラブを変わるのもいいかもしれないけど、上手になるかどうかは問題だな」
貢「自分より上の人と競い合わないと何でも上手にならないものだよ。サッカーに限らずね。」
路夫「わかった。じゃあ次にレギュラーになれるように頑張るよ。でもどうすればいいのお父さん」
貢「習ってきたことを今度は一生懸命自分で練習する事かな。」
さて、こんな時論語ではなんていうでしょうか。
切するが如く磋するが如く、琢するが如く磨するが如しと。
學而第一
解説
とっても有名な『切磋琢磨』です。みんなは自分が将来何になりたいか決めていますか?夢や希望はたくさんあるよね。でも自分が『何になれるか分らない』『頑張り方がわからない』と思っていませんか。
あなたたちにはすごく多くの可能性があります。でもそれを見つけ出すためには、自分より上の人や先生などときちんと向き合って頑張ることが必要です。
自分よりへただったり出来ない人とどれだけいっしょにいても、固い石を軽石で叩いているようなもの、もっと硬いもので叩かないとあなたの中のすばらしいものは出てこないのです。
そして『これだ!』と言うものが見つかったら、今度はそれを自分で頑張って磨いていく事が大切なのです。