▼行楽日和、論子さん一家は久しぶりにドライブ旅行に出ています。しかし、観光地へ向かう道は車でいっぱい。論子さんたちも渋滞に巻き込まれました。
路夫「お父さん、このままじゃ遊園地に着くのお昼近くになっちゃうよ。」
貢 「そうだなー。連休で天気もいいから、どこも一杯だな。」
路夫「そうだ!お父さんこの車、カーナビが付いているのでしょう?」
貢 「付いているよ。」
路夫「ならさ、ナビで目的地までの別の道を検索して行けばいいんじゃない?裏道とかそうゆうの。そうすれば早く行けるよ。」
貢 「そうだな。でも路夫、そんな道は大抵細い小さな道で、お父さん一度も走ったことの無い道だと思う。」
路夫「ナビのまんま行けばいいから大丈夫だよ。」
貢 「路夫は学校へ行く時や家の近くで車にヒャっとしたことは無いかい?」
路夫「ある!あんな細い道なのにさ。なんで入って来るんだろう。この間もよそのおばあちゃんがぶつかりそうになってた。」
貢 「ナビを使うとそんな道も通ることになる。自分たちが少しはやく行きたいために、いろんな人を危険に巻き込む事になりかねないし、それにどこに何があるかも知らないんだから、自分たちだって危ない目にあうかも知れないだろう。」
路夫「そうかぁ。」
貢 「昔のドライブは地図を見ながらいろいろ会話して走ったもんだよ。知らない道は怖いから、大きな道を探してね。」
論子「そう言えばそうね。地図の見方がわからなくて助手席でよく言い合いになったりしたわよね。それで全然違う所に出たりして。」
貢 「みんなで一緒に遊びに行く事が楽しいのだから、退屈したのも思い出だよ。『あの時は大変だったね。』ってね。」
路夫「そうだね。じゃあ仁実しりとりでもしようか。」「り・ん・ご」
仁美「ご・は・ん」
路夫「えー。もう終っちゃった。そこは『ごりら』でしょう?」
さてこんな時、論語では何て言うでしょうか。
『行くに徑に由らず』
《伊與田先生 訳》
こそこそと小径は行きません
《解説》
通学路で決められた道以外を通って、登・下校したことはありますか?それはなぜですか?近道だからとか、川や空き地で遊べたりそれから駄菓子屋さんがあったり?。
決められていない道ってなぜか『み力的』だよね。
大きな道はたくさんの人が通るので、様ざまな人が君の姿を見ています。だから規則を守ってきちんと歩かなきゃって思うでしょ。
だけど小さい横道だと目立たないから、ちょっといたずらしても、規則を破ってもわからない。
でもそんな事をしていると、たとえ悪い事をしていなくても、大人の人は『あの子はルールを守れないだ』と何か問題があった時に疑われてしまう事になりかねません。
正しい行いをする人は誰が見てもわかるように正しいと言われている行動しかしません。逆に悪い事をしようとする人は影でこそこそするものです。
楽だから、得だから、楽しいからと小さい横道や簡単な方法ばかりを選んでいると、その時は良い気分でも最後は自分のためにはならないものです。